平成22年度滝沢村統計調査員協議会研修会村長講演「滝沢村の目指す方向~なぜ今、市制なのか」(平成23年2月3日)
平成22年度滝沢村統計調査員協議会研修会村長講演「滝沢村の目指す方向~なぜ今、市制なのか」(平成23年2月3日)

皆さんこんにちは、滝沢村長の柳村典秀です。
本日は、「滝沢村の目指す方向~なぜ今、市制なのか」と題して講演をさせていただきます。
この写真は、昭和40年の滝沢村役場周辺ですが、ほとんど田んぼしかありません。あれから46年経過し、次の写真は2年前の航空写真の状況です。
人口にすれば12,500人から53,896人(12月末)と増加しています。昭和40年は12,675人、昭和50年は15,000人、平成7年は40,000人、平成12年には5万人を超えました。そして平成の大合併が終わり、全国的には、市は786、町は757、村は184、トータルで1,727市町村があり、人口では503番目に位置しています。
高齢化率は16.65%で毎年1%づつ上昇していますので、4年後には20%を越え、65歳以上の人口も今8,900人ですが、2年後には10,000人を越える見込みです。それでも県内では高齢化率は低い自治体です。職員の数は現在296人で、平成22年度当初予算は約150億円の規模となっています。
これからの滝沢村の行政運営とまちづくりの指針となる第5次滝沢村総合計画の後期基本計画が平成22年4月1日から始まっています。後期計画では、「夢」と「絆」、「生きがい」の3つのキーワードを定め、住民の皆さんが「生きがいが持てる充実した生活環境の実現」を目指し、行政運営とまちづくりを展開しています。
3つの重点政策「滝沢らしさの確立と発信」と「若者定住」、「食育の推進」を掲げ、全庁的に力を入れて取り組み体制を進めています。「滝沢らしさ」として、滝沢スイカを全面に出した宣伝活動の実施や、りんごの新品種はるかやさつまいもの奨励品種クイックスイートなどの農産物や特産物開発、村広報誌やホームページを活用した積極的な情報発信に取り組んでいます。「若者定住」として、岩手山で婚活登山を行い、約100人の皆さんが参加し、全国的にも注目を集めました。「食育の推進」としても、郷土の恵みと食を楽しむ心の育成を目指し、啓発活動を行っています。
政策ごとに組織を構築し、経済産業部と教育部(教育委員会)、健康福祉部、都市整備部、上下水道部、住民環境部、企画総務部をそれぞれ設置しました。また、教育委員会に文化スポーツ課を、都市整備部に交通政策課を新設し、文化スポーツによるまちづくりと子どもから高齢者に配慮した交通政策の充実に力を入れて取り組む体制を整えました。
今まで、村は住民の皆さんと行政が一体となって地域活動を行う住民協働によるまちづくり活動や農林業や商工業、観光物産、IT産業などによる経済産業の充実に取り組んできましたが、現在の村のままでは限界があります。地域経営を実現し、社会基盤整備を進めながら、住民の皆さんからの多種多様化する要望に応えるためにも、市制を目指すことを考えています。それと同時に、住民の皆さんと行政が一緒になってまちづくりを進めるためにも自治基本条例の制定も目指しています。
最近では、全国的にも人口が5万人を超えた町村は市制移行を目指す傾向にありますので、滝沢村が市制を目指すことは全国的な傾向とも一致しています。
かつて、滝沢村は平成9、10年あたりに単独市制を目指す動きがありましたが、当時のマスコミにも大きく取り上げられ、県議会でも話題になり、市の条件を満たしていないとの県側の答弁があり、そこから市制を目指す動きは止まっていました。今回は、前回の反省から平成22年の5月ころから県側との相談を重ねながら、平成23年1月に
を立ち上げました。研究会には県側からもオブザーバー参加していただいていますので、前回とは状況がまったく違います。平成の大合併が終わり、国は地方主権の時代となったことも大きな変化の要因となっています。
また、わたしが村長になってから、合併に関する住民アンケートを2回実施しましたが、合併反対の声が広がっています。県や他市町村の考え方もマスコミの論調も、滝沢村の市制移行について好意的な方向にあります。ただ、いくら行政が市を目指したとしても、住民の皆さんがどのように考えているかが重要となっています。そのようなことから、今後、住民の皆さんとの対話集会などを行いながら、村としての考えを説明する機会を増やしていく予定です。
市になることで、生活相談などの権限が県から市に委譲されることから、福祉事務所を設置し、市独自で決定することができるようになります。多岐に渡る幅広い政策分野の権限移譲も進みますので、行政体制の権限も強化されます。
市になることで税金が高くなるのではないかとの懸念を持つ人がいらっしゃいますが、そのようなことはないですし、市になることで交付税措置がありますので財政的にも強化され、住民サービスが向上することが期待されます。
今後の予定ですが、平成26年1月からの市制移行を目指しています。市になることと同時進行で、地域経営を目指し自治基本条例の制定や村民憲章を市民憲章に改めることも取り組む予定です。また、市制移行の象徴的なプロジェクトとして、教育と福祉の交流拠点複合施設や(仮称)滝沢中央小学校の新設、スマートインターチェンジの誘致、IPUイノベーションセンターを拠点としたIT産業の集積などに取り組む時期でもあります。
行政と住民の皆さんが一緒になって市制を目指すことで、滝沢の行政運営とまちづくりが大きく向上することを期待しています。市制移行を目指すことで、職員の意識も大きく変わってくるものと考えています。県からの権限移譲が進むこと、行政体制と財政規模も大きくなることから職員の負担の増加が想定されます。しかし、これを乗り越えることで「村役場」から「市役所」に変わる変化と成果はとても大きいと思います。
市になることで、行政が遠くなると懸念する皆さんもいらっしゃるようですが、わたしは住民の皆さんとの交流を今まで通り大切にしますし、滝沢村が目指す市は、今まで以上にもっと住民の皆さんに近づいていく市を考えています。村のままでは住民の皆さんの声に応えていくには限界がありますが、市になることで大きく飛躍することができると考えています。
住民の皆さんのご理解とご協力を頂きながら、滝沢村の市制移行を目指していきたいと考えていますので、今後とも何とぞよろしくお願いします。
(平成23年02月03日(木)、盛岡市内のホテル)





